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どれを受験するべき?スピーキングテスト6種を徹底比較!

前回は英会話学習におけるスピーキングテストの重要性とそのメリットを解説しました。
(詳しくはこちら

ですが、

重要性は分かったけど、どんなテストを受験すればいいの?

数が多すぎて自分に合うテストが分からない…

と感じている方も多いかと思います。僕もそうでした。

今回は僕が実際に受験した有名なスピーキングテスト6つを徹底的に比較し、その中から

英会話初学者が初めに受験するとしたら

という前提で、オススメランキングをご紹介します。

この記事を読むことで初めてのスピーキングテストに最適のテストと、テストを選ぶ際に気を付けておきたい注意点が分かります。

スピーキングテスト6種を徹底比較!

今回のランキングと比較項目の概要は以下の通りです。

表の上半分(背景が青い部分)がテストの基本情報の比較で、下半分(背景が橙色の部分)が詳細項目の比較となっています。

基本情報の比較

各スピーキングテストの概要を『出題内容』『難易度』『CEFR対応』『試験時間』『値段』『採点方式』の6項目で比較しています。

『出題内容』『難易度』の2項目は公式からの情報に加え、僕が実際に受験した経験から主観で分類しています。

『CEFR対応』『試験時間』『値段』『採点方式』は各テストの公式ホームページなどの情報を元に作成しています(2023年5月現在の情報)。

いずれの情報も変更される可能性がありますので、最新情報は各テストのホームページなどでご確認ください(特に値段は変更されやすいです)。

詳細項目の比較

一部の情報については数値化(1〜5の5段階評価)して比較を行いました。

ランキングは数値化していない情報も含めて比較し作成しているため、数値の合計がランキングの順位に直結しているわけではありませんのでご注意ください。

聞き取り易さ

問題文の読み上げ音声の聞き取り易さを比較しています。

「読み上げ速度がゆっくり」「使われている単語が簡単」など、問題文の聞き取りと内容の理解がし易いほど『5』に近い値にしています。

反対に「読み上げ速度が速い」「単語が難しい」など高度なリスニング能力が必要とされる場合は『1』に近い評価となっています。

安価

受験料を比較しています。単純な値段の比較であり、テスト内容と絡めた“割安さ”などではありません。

安価なほど『5』、高価なほど『1』に近い評価です。

信頼性

テストのスコアが社会的に信用され易いかどうかで比較しています。

テスト自体の導入実績のほか、運営会社が有名かどうか、CEFRに対応しているかどうかで評価しています。

信頼性が高いと考えられるほど『5』に近く、そうでなければ『1』に近く設定しています。

※最終的には僕の主観的で判定しています。

学習サポート

テスト結果が記載されたスコアレポートの内容はテストによって大きく異なっています。

細かく項目分けしてスコアリングした上で各項目ごとにコメントがついているものや、ほとんどスコアしか記載されていないものまで様々です。

今回は初心者向けのテストランキングなので、スコアアップのための情報が多いほど『5』、そうでなければ『1』に近い評価としています。

事前準備

テストを受験するまでのハードルの高さを比較しています。

主に「受験の申込方法の複雑さ」「受験申込以外の手続きの有無」「外部機器(ヘッドセットなど)が必要か否か」といった内容から判断しています。

『5』に近いほど手軽に受験でき、『1』に近いほど受験するまでの道のりが長いです。

スピード感

「受験を申し込んでから実際に受験できるようになるまで」と「受験が終わってからテストが返却されるまで」の期間を比較しています。

「申し込んですぐに受験できる」「結果が素早く返ってくる」なら『5』、「受験まで待たされる」「忘れた頃に結果が返ってくる」なら『1』です。

初心者にオススメのスピーキングテストランキング

上述の比較項目を踏まえ、『英会話初心者が初めて受験する』のにオススメのスピーキングテストをランキング形式でご紹介します。

今回は初心者の方向けのランキングのため、出題内容がビジネスに特化していたり、テストの難易度が難しかったりする場合は下位にランク付けしています

今回の記事ではテストの内容には軽くしか触れていないので、詳しく知りたい方は関連記事をご参照ください。

1位 E-CAT

(出典:https://www.ecatexam.com/)

出題内容:日常会話
難易度:易しい

CEFR対応:◯
試験時間:30分
受験料:5,280円(税込)
採点方法:人力採点
運営:株式会社iTEP japan

英会話初心者が初めてスピーキングテストを受験するのであれば、まずオススメしたいのがE-CATです。

E-CATはiTEP International(※)が開発し、日本ではiTEP japanが運営を行っているスピーキングテストです。

※ iTEP International:米国を中心に世界51ヵ国で使用されているインターネットベースの4技能英語試験であるiTEPを開発・運営している米国企業。

『ドキドキしない英語スピーキングテスト』と書かれているように、

  • 問題文の読み上げ速度がゆっくり
  • 回答前に準備時間が設けられている
  • メモを取ることができる

など、英会話初心者でもリラックスして受験できるように工夫されているのが特徴です。

その他、信頼性やスピード感などすべての項目において高水準のテストで、CEFRにも完全準拠しているなど必要十分な機能が備わっています。

難点は外部機器が必要なこととテスト時間が長いことです。

E-CATはパソコンで受験するテストなので、インターネットに接続できるパソコンと有線接続のヘッドセット(マイク付きヘッドフォン)が必須となります。スマホや無線接続の機器は使用できないのでご注意ください。

またE-CATは「初心者向け」のため、問題文の読み上げ速度がゆっくりです。加えて回答前に準備時間が設けられている場面もあるため、試験時間が30分と他のテスト(15〜20分)と比較するとどうしても長くなっています。

受験する際は時間の余裕とヘッドセットをお忘れなく。

テストの詳しい解説と受験した感想はこちら↓

e

2位 TSST

(出典:https://tsst.alc.co.jp/)

出題内容:日常会話
難易度:易しい〜普通

CEFR対応:△
試験時間:15分
受験料:8,800円(税込)
採点方法:人力採点
運営:株式会社アルクエデュケーション

E-CATの次にオススメしたいのはTSSTです。

TSSTは「キクタン」などでお馴染みの“英語のアルク”が開発・運営を行っているテストで、前身となるSSTは1997年に開始しているという歴史のあるスピーキングテストです(ちなみにTOEICのスピーキングテストは2007年の開始)。

2004年からオンライン化しているテストということもあり、電話機による通話で受験するという珍しい受験方法となります。

通話とはいえ自動音声システムを使用しているため受験期間中は24時間受験可能で、本当に『電話をかけるだけでいい』という手軽さが魅力です。

また問題文が英語と日本語の両方で読み上げられるという特徴があり、リスニング力に左右されず、純粋なスピーキング能力の測定が可能です。

残念ながら採点方法はCEFRに対応したものではありませんが、CEFRとの対照表は公式から提示されているので目安にはなります。

ただ受験スケジュールが定められており、希望する受験日がある場合はその1〜2週間前に申し込む必要があります。また結果の返却も受験から10日以上経ってからと、スピード感は他のテストに劣ります

また受験料が8,800円と高額なのも、ややオススメしにくいところです。

テストの詳しい解説と受験した感想はこちら↓

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3位 Linguaskill General

(出典:https://www.cambridgeenglish.org/jp/exams-and-tests/linguaskill/)

出題内容:日常会話
難易度:普通

CEFR対応:◯
受験料:4,500円(税込)+手数料400円
採点方法:不明
運営:Cambridge University Press & Assessment, 河合塾 ケンブリッジ英語検定事務局

第3位はLinguaskill Generalです。

後ほど登場するLinguaskill Businessと同様、ケンブリッジ大学英語検定機構が開発したオンライン型4技能英語テストです。4技能テストにはなりますが、スピーキング1科目のみ受験することも可能です。

Linguaskill(Businessも含む)の強みはなんと言っても信頼性が高いことです。

開発が世界的に信頼される『ケンブリッジ大学英語検定』と同じケンブリッジ大学英語検定機構というだけでなく、近年ではLinguaskillが日本の大学入試などで活用されるなど、Linguaskill自体の実績も増えてきています。

ですが、そのためかLinguaskillのスコアレポートは“認定書”としての側面が強く、学習の補助となるコメントなどはほとんどありません。

また受験にはリモート監視システムが必須となり、事前準備には手間と時間が必要です。ただGeneralとBusinessでは使用するシステムが異なり、Generalの方は若干楽にはなっています。

Generalの場合、テストの難易度は標準的で「問題文が聞き取れない」や「何も言えなかった」ということはほとんどありませんでした。

受験料が最安クラスということもあり、繰り返し受験にはかなりオススメしたいテストです。

E-CATやTSSTでスピーキングテストにデビュー&慣れておいて、それからLinguaskill Generalに移行するというのは最良ルートの一つだと思います。

テストの詳しい解説と受験した感想はこちら↓

【体験記】Linguaskill Generalってどんなテスト? こんにちは!歩吉です🐧 僕が実際に受験した6個のオンラインスピーキングテストの詳細や感想などをご紹介している『スピーキングテスト...

4位 InstaBiz

(出典:https://instabiz.jp/)

出題内容:日常〜ビジネス会話(日常要素が多めで一部ビジネス)
難易度:普通

CEFR対応:×
受験料:6,050円(税込)
採点方法:人力
運営:INTERLINE株式会社

第4位となったInstaBizはINTERLINE株式会社が実施しているInstaBizです。

INTERLINE株式会社はソフトウェア設計や製造といったITサービス事業や、オンライン英会話などの語学事業を行なっている会社です。

おそらくINTERLINE株式会社の名前を聞いて「あぁ、あの!」となった方はいないと思います。InstaBizは他のテストに比べて運営元のネームバリューが全くと言っていいほどありません

そしてCEFR対応もありません。残念ながらInstaBizのスコアを対外的な英会話能力の証明として使うのは難しいでしょう。

ですがInstaBizには受験後の学習サポートがとても手厚いです。

特筆すべきところは『受験したテストの問題』『自分の解答』『模範解答』が確認できることです。他のテストでここまでしっかり復習できるものはみたことがありません。

自分の学習目標として活用するだけであればCEFR対応は必須ではないですし、出題内容も多岐に渡っていてしっかり作られています。

ただアプリの不具合がちょいちょいあるので、受験を申し込む前にアプリの動作を確認しておくことを強くオススメします。

テストの詳しい解説と受験した感想はこちら↓

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5位 Versant

(出典:https://www.versant.jp/)

出題内容:日常〜ビジネス会話(ビジネス要素多め)
難易度:難しい
CEFR対応:◯
受験料:5,500円(税込)
採点方法:AI
運営:ピアソン, 日本経済新聞社

Versantは英国企業のピアソンが開発し、日本では日本経済新聞社が販売を行なっているスピーキングテストです。

AIによる自動採点が導入されており、受験後10分で結果が手元に届くというスピード感は他のテストの追随を許しません。

受験料も高価というほどではなく、受験はスマホアプリと内蔵のマイクを使用するため、準備の手間もほとんどありません。

スコアレポートには学習アドバイスが書かれていますし、CEFRにも対応しています。

ではなぜ5位にランクづけしているかというと…このテスト、めちゃくちゃ難しいです。

コンセプトに『本当に話せる英語力の証明』とある通り、「英語を聞いて英語で話す」能力を測定するテストとなっています。

問題文の読み上げ速度は早く(聞き取り易いように遅くしていない)、また基本的に一度きりしか流れません。それを聞いて瞬時に英語で回答する…というのは初心者にはかなり厳しいです。

付け加えると、問題文を読み上げる音声の音質が悪く、こもったような声ではっきりと聞こえません。これもまたテストの難易度を上げています。

テスト自体は素晴らしいですが、残念ながら初心者向きではありません。ステップアップしたらいずれまた挑戦したいテストです。

テストの詳しい解説と受験した感想はこちら↓

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6位 Linguaskill Business

(出典:https://www.eiken.or.jp/linguaskill/)

出題内容:ビジネス会話
難易度:難しい
CEFR対応:◯
受験料:6,900円(税込)
採点方法:人力
運営:Cambridge University Press & Assessment, 公益財団法人 日本英語検定協会

今回のランキングでは第6位とさせていただいたのはLinguaskill Businessです。

初めに言っておきますが、最下位となった理由は単に

  • 手軽に受験できるテストではない
  • 初心者向きではない

というだけです。

すでにLinguaskill Generalのところでお話ししていますが、Linguaskill Businessもケンブリッジ大学英語検定機構が開発した信頼性の高いテストです。

これまで紹介してきたテストと異なり、名前の通りビジネスシーンで必要とされる英会話能力を測定するためのテストとなっています。

それだけに出題される問題の難易度は高く、難しい単語も登場します。問題文の内容が理解できないこともあるでしょう。

Linguaskill Generalと同じくリモート監視システムが導入されていますが、こちらは身分証明書の提出を伴う事前登録が必要となり、Generalよりもセキュリティが厳しいのが特徴です。

試験日程も毎月10日間のみです。Generalと同様、スコアレポートは認定書としての側面が強く、学習アドバイスはありません。

総じて「スキルアップの指標として受験する」テストではなく、資格試験同様「スコアを取りに行く」タイプのテストという印象です。

ビジネスシーンで英語を使う方はLinguaskill Businessで高得点を取得することを目標に設定するのも良いかと思います。

テストの詳しい解説と受験した感想はこちら↓

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まとめ

今回は英会話初心者の方が初めて受験するのにオススメのスピーキングテストをランキング形式でご紹介しました。

ランキングの結果は

  1. E-CAT
  2. TSST
  3. Linguaskill General
  4. InstaBiz
  5. Versant
  6. Linguaskill Business

で、上位ほど「テストの難易度が易しく」「受験のハードルが低い」テストとなっています。

今回は下位にランク付けしたテストも、単に「難易度が初心者向けではない」という理由が大きいので、歯応えのあるテストに挑戦したくなったときにはぜひ受験を検討してみてください。

今回の記事が皆様の英会話学習の手助けとなれば幸いです。

最後までお読みいただきありがとうございました。

歩吉

ABOUT ME
歩吉
「英語が話せるってなんかカッコいい」と、英語が話せる人に憧れ早15年。そろそろ夢を叶えたいと英会話を始めた32歳。2022年12月からネイティブキャンプを再開、2023年8月から(ほぼ)毎日1コマ受講開始。TOEIC 730点以上 & CEFR B1以上を目指して日々勉強中!!大好きなポケモンや漫画も、英語でやれば勉強の一環😆 現在:TOEICL&R 745/CEFR B2