英会話を上達させる上で重要になってくるのがスピーキングテストの受験です。
しかし安価なテストでも一回の受験で5,000円はしますし、採点者に自分の英語が聞かれてしまうのに抵抗がある方も多いかと思います。
そこで今回ご紹介するのは「毎日無料で受験できる」AI採点型の英語のオンラインスピーキングテスト『PROGOS』です。
しかし「毎日無料」と聞くと
本当に無料なの…?
あとでお金が請求されたりトラブルになったりしないか心配…
いくら無料でも変なテストだったら受験する価値ないよ!
と疑問に感じるかもしれません。
今回は主要なオンラインスピーキングテストを複数受験してきた僕が、
『PROGOS』とはどんなテストなのか
本当に毎日無料で受検できるのか
テストの精度や完成度はどの程度なのか
といった点について、他のテストとの違いを踏まえながらお話ししていきます。
Contents
PROGOSは無料で受検できる?
まず初めに結論からお伝えします。
スピーキングテストPROGOSは個人であれば毎日無料で受検することが可能です。課金要素などはありませんし、後から請求が来るようなこともありません。ついでに広告もありません。
信頼と実績がある会社(の子会社)によって運営・開発されているので、テスト自体の信頼性も高いです。
特にデメリットもないので、基本的には全ての英語学習者が今すぐにダウンロードして受検する価値があると思います。
ただ細かい注意点もあるにはあるので、それも含めて詳しくご説明していきます。
PROGOS概要
PROGOSとは「株式会社プロゴス」によって運営されているオンラインスピーキングテストです。
「株式会社プロゴス」の名前を聞いたことがある方は少ないと思いますが、この会社は“レアジョブ英会話”などでお馴染みの「株式会社レアジョブ(RareJob, Inc.)」の連結子会社です。
「株式会社レアジョブ」は東証プライム市場に上場している上場企業で、会社HPにはグループ会社も含めた役員の氏名と顔写真が公開されています。もちろんPROGOSの役員の氏名と顔写真もあります。
少なくとも“得体の知れない謎企業”では決してないので、安心して利用できます。
テスト内容
受験は1日1回のみで、試験時間は約20分。問題の説明や問題自体のスキップが可能です。
テストは5パート構成となっていて、概要は以下の通りです。
- Part1 インタビュー:10問。英語の質問に1問1答形式で20秒以内に回答。
- Part2 音読:8問。表示される文章を10秒以内で読み上げる。
- Part3 プレゼンテーション:1問。与えられたテーマについて60秒で自由に回答。40秒の準備時間あり。
- Part4 グラフ・図を用いたプレゼンテーション:1問。表示されるグラフや図の内容を60秒で説明する。40秒の準備時間あり。
- Part5 ロールプレイ:小問3~4問構成。一つのテーマについての会話が流れるので、それに応答する。回答時間は各60秒。会話音声が流れる前に40秒の準備時間がある。
問題はすべてビジネスシーンを想定したものとなっていて、「どんな仕事をしているのか」「最近犯したミスは」といった問題が出題されます。
どの問題も問われている内容は決して難しくないのですが、瞬時に答えなければならないとなると簡単ではありません。特にPart1のインタビュー問題は回答時間が短く準備時間もないので、事前に頭の中を整理しておく必要がでてくるでしょう。
採点にはAIによる自動採点が導入されていて、受検終了から2分で結果が返ってきます。
CEFRにも準拠しており、“Pre-A1”から“B2 High and above”の9段階で測定可能です。
聞き取りやすさ
問題の読み上げ速度は決して速くはなく、スラッシュリーディングのような感じに区切りごとに短い間隔を空けてくれるので比較的聞き取りやすいです。難しい単語も出てきません。
受験料
法人向けのブラウザ版と個人向けのスマホアプリ版が提供されており、現在はスマホアプリ版が無料で利用できます。
ただし将来的には有料化が予定されているので注意しましょう(時期は未定)。
とはいえブラウザ版は1回550円(税込)ですし、もし有料化した場合でもそれに準ずる値段になると思います。
また『レアジョブ英会話』に登録している場合は毎月1回まで無料で受検可能です。
いずれにせよ、格安で受検できるオンラインスピーキングテストであることは確かです。
信頼性
前述の通り、PROGOSはレアジョブ株式会社の子会社が運営を行い、また開発には東京外国語大学教授の投野由紀夫氏が監修として携わっています。
現在までにOLYMPUSやアマゾンジャパンをはじめ、600以上の企業や教育機関に人材育成や昇給要件として導入されていることからも、テストとしての信頼性は十分だと考えられます。
学習サポート
親会社がオンライン英会話事業を行なっているレアジョブということもあり「受験者を成長させよう」という気持ちが伝わってきます。
テストの結果はアプリ内の『受検履歴』から確認することができ、「表現の幅」「正確さ」「流暢さ」「やりとり」「一貫性」「音韻」の6項目ごとにCEFRレベルとフィードバックコメント、学習アドバイスが記載されます。
学習アドバイスはかなり具体的に書かれていて、「どんな表現を使うと良いか」に加えて例文まで記載してくれています。読むだけでもかならず力になるでしょう。
また各テストの受験日とCEFRレベルが一覧で表示されるので、成長過程が一目で確認できるのも嬉しいところです。
事前準備
アプリをダウンロードして、アカウントを作成するだけです。
アカウントも作成も「メールアドレスの入力」→「メールに送られてくるアクセスコードをアプリに入力する」だけなので、とても簡単です。
もちろん料金の支払いやクレジットカードの登録もありません。
スピード感
かなりスピーディーです。
アプリのダウンロードを含めて10分もあれば受検でき、受検後は2分以内に結果が戻ってきます。
単独のテストでありながら、受験しようと思い立ってから受験が完了するまで30分ほどで完結するのは他に類を見ません。
PROGOSのメリット・デメリット
それでは多種多様なスピーキングテストを受験した経験を踏まえて感じた、PROGOSのメリットとデメリットについてお話しします。
PROGOSのメリット・デメリットは以下の通りです。
無料で毎日受験可能
自習用教材として優秀
内容がビジネスシーンに特化している
対外的な英語力の証明としては弱い
アプリがやや使いにくい
では詳しくご説明します。
メリット
無料で毎日受験可能
これがPROGOSの最大の強みなのは間違いないでしょう。
しかも信頼性の高い会社が専門家の監修をつけて実施しているテストなので、質も十分です。
毎日とはいかずとも、週に1回とか月に1回とか、定期的に取り組む価値は十分にあります。
ただ将来的に有料化される予定なので、それは心に留めておきましょう。
自習用教材として優秀
ホームページに載っている開発監修者のコメントを読むと、PROGOSは「学習成果を高めるための英語スピーキングテスト」としてデザインされているようです。
それもあってか、学習サポートでもお話しした通り、テスト結果のコメントが手厚く、スコア改善のためにどのようなことをしたら良いのかが具体的に書かれています。
「とりあえず受験してテスト結果のコメント読んでみる。そしたらまた次の日に受験する」というのを繰り返すことで英会話力の向上が期待できます。
お金もかからないし、出題も採点も自動なので、一人で気軽に取り組むことができます。
自習用教材としてかなり優れていると感じます。
デメリット
内容がビジネスシーンに特化している
会社や組織に勤める典型的なビジネスマンを想定した問題となっているので、そういったものに該当しない仕事をしている方や、学生など働いていない方だと回答するのが難しくなっています。
その場合は事前に「○○株式会社の△△部門に勤めている」などの設定を考えておくと回答しやすくなるのでオススメです(「双葉商事株式会社 東京本社第一営業部 係長」などどうでしょうか?)。
客観的な英語力の証明としては弱い
運営を信頼性の高い会社が行なっていて開発には専門家の監修がついているPROGOSですが、安価で(現在は無料で)頻繁に受検できることを考えると、客観的に自身の英語力を証明するものとしてはやや弱い印象があります。
PROGOSはあくまで自身の学習指標として扱い、英語力の証明が欲しい場合はLinguaskillなどの格式のあるテストを利用するのがいいでしょう。
監修者のコメントを読んでも「学習成果を高めるための英語スピーキングテスト」であることが明言されていますので、学習ツールとしてデザインされていることが伺えます。
アプリがやや使いにくい
やや細かい内容になりますが、PROGOSのアプリにはやや使いにくいところがあります。
1) マイクチェックが不親切
テストを受検する前に毎回マイクチェックがあるのですが、それがやや不親切です。
流れとしてはよくある
開始ボタンを押す
→録音開始を告げるブザーがなる
→テスト用の音声を吹き込む
→録音した音声が再生される
というものなのですが、再生されるときの音量が小さいです。
加えて録音終了時や再生開始時にブザー音はないので、気をつけて聞いていないと録音できていないと勘違いしてしまいます。
ちなみにテスト時の問題文の読み上げ音量は特に問題ないので、もし再生される音声を聞きやすくするために音量を上げてしまった場合、戻すのを忘れると爆音で問題文が流れることになります。
受験するときはお気をつけください。
2) 回答スキップボタン
PROGOSにはスキップボタンがあります。
イントロダクションや回答できない問題をスキップできるで一見便利ですが、ちょっとした落とし穴があります。
ボタンを押してから画面が切り替わるまで少しラグがあるので、一度押してから「あれ、反応しない」と思ってもう一度押してしまうと次の問題までスキップされてしまいます。
ボタンは連打しないようにしましょう。
3) 読み込みが長い
機種や通信環境にもよると思いますが、PROGOSのアプリは立ち上がりに時間がかかります。
ときには読み込み画面から動かない、なんてこともあります。
その時はアプリを再読み込みしたり、スマホ本体の「戻るボタン」を押すと改善することがあります。
よければお試しください。
まとめ
今回は「無料で毎日受験できる」スピーキングテスト『PROGOS』についてお話ししました。
PROGOSは上場企業である「レアジョブ株式会社」の子会社である「プロゴス株式会社」が運営しており、開発には東京外国語大学教授が監修として携わっている信頼性の高いテストだと言えます。
また個人向けのアプリ版は現在無料で提供されており、毎日1回無料でスピーキングテストが受験できます。
細かいところで不便なところはありますが、全体的に見てかなり有用なテストだと言えるので、まずは一度受験してみることをオススメします!
PROGOSはビジネスシーンに特化しているテストなので、もし日常会話ベースのテストを気軽に受験したいのであれば『ネイティブキャンプ マンスリースピーキングテスト』がオススメです。
オンライン英会話「ネイティブキャンプ」に登録している方限定になりますが、毎月1回スピーキングテストの受験が可能です。こちらは日常会話シーンがメインとなっています。
またスピーキング能力を向上させたいのであれば、PROGOSの運営会社の親会社「レアジョブ株式会社」が提供している「レアジョブ英会話」がオススメです。
オンライン英会話が初めての方向けの教材が充実していますし、何よりも教師の質が担保されています。
コスパを重要視するならネイティブキャンプには敵いませんが、月8回程度の受講であればネイティブキャンプよりもリーズナブルです。
初めて挑戦する方にはとてもオススメできるオンライン英会話になっています。
それでは、最後までお読みいただきありがとうございました!
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歩吉